こんにちは♪
アクリル画家、絵画講師の初香です。
パレットと一言で言っても、素材も色々あるし、形も色々あるし、何を選んだらいいのか悩んでしまいますよね。
アクリル絵の具に使えるパレットやオススメのパレットについてお話ししていきます。
まずは、アクリル絵の具に向かないパレットからお話ししていきます。
目次
アクリル絵の具に向かないパレット
プラスチックパレット
パレットと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、 プラスチックの水彩パレット ではないでしょうか。
プラスチックに浅い凹みが付いていて、細かな仕切りには絵の具を一色づつ出します。
手前の広い仕切りのところで絵の具を混ぜ合わせたり、水を加えたりします。
このパレットはアクリル絵の具が乾くとこびりついて落ちなくなってしまいます。
どうしても使いたい場合には、アクリル絵の具を乾かさないようにしましょう。
霧吹きで水をかけておけば乾燥を遅らせることができます。
その場合、水彩風の描き方で、水で溶いて使うこと前提ならば良いですが、水で溶いて使わない場合は向きません。
作品を描くことに集中していると、アクリル絵の具が乾いてしまうかもしれないので、気をつけていなくてはいけないのもネックです。
絵の具を気にすることなく、作品に集中したいですよね。
色を量多く用意したいときには、パレットナイフやペインティングナイフで混ぜるのが便利ですが、凹凸のあるパレットはナイフが使いづらいので向いていません。
木製パレット
パレットと聞いて次に思い浮かべるのは木製で指をかける穴の空いたものではないでしょうか。
木製パレットはアクリル絵の具が固まると落とせなくなるので向いていません。
木製パレットは油絵を描くのに使います。
油絵を描くとき昔は有色下地に茶系の色を塗っておいて描いていました。
なので、茶色の色をした木のパレットは画面に塗ったときの色味に近い感覚で色が作れるので、とても理にかなっているものです。
印象派の画家たちも木製パレットをつかっていましたが、印象派の画家は色の美しさを表現するために白いキャンバスに直接描き始めていたので、木製パレットは使いづらかったのではないかと想像します。
色付きのパレットが使いたい場合、グレーの色がついたガラス製のパレットが市販されていました。
このようなものを使うのが良いと思います。
金属、ホーローの水彩パレット
プラスチックの水彩パレットと同じ形で、素材が金属やホーローのものがあります。
私はこのタイプのパレットは使ったことないので、アクリル絵の具に向くのか調べてみましたが、はっきりしたことは分かりませんでした。
私の考えですが、金属、ホーローはアクリル絵の具が乾いても比較的落としやすく、使いやすいのではないかと思います。
特にホーローは陶器と同じなので、乾いた絵の具はペロッと剥がせて、剥がせづらいところも水に浸けておけば簡単に取れると思います。
ただ、金属用やガラス用のシーラー(定着を良くする下地剤)を使うと落ちなくなるかも知れません。
形状的にナイフ類は使いづらいです。
水彩絵の具の場合細かい仕切りに一通りの絵の具を出しておくのに便利です。
しかし、アクリル絵の具の場合最初に多くの絵の具を出しておいても使う頃には乾いて使えなくなるので、 すぐに使う絵の具しか出しません。
なので、細かな仕切りは宝の持ち腐れですね。
水彩風の描き方には使えるパレットだと思いますが、メリットは少なくあまりオススメではありません。
アクリル絵の具に向いたパレット
次はアクリル絵の具に向いているパレットを紹介します。
ペーパーパレット
ペーパーパレットは紙の表面に耐水加工がしてあり、十数枚重ねて綴じてあるものです。
使い捨てなので、アクリル絵の具が乾いて取れなくなっても気にする必要はありません。
使い終わったら1番上の一枚をめくって可燃ゴミに捨てるだけです。
アクリル絵の具を使う人にイチオシのパレットです。
仕切りの凹凸が無いので、ナイフ類が使いやすく、広く面を使って大量の色を作ることも、小さな面で少量の色を作ることも自由にできます。
凹凸が無いのでシャバシャバに溶いた絵の具が流れ落ちてしまわないかだけ注意が必要です。
ペーパーパレットに僅かな凹凸の仕切りがエンボスされているものもあります。
量が多いと垂れそうですが、少々の水は流れるのを防いでくれそうです。
ペーパーパレットには親指を入れる穴のあるものと、穴のないものがあります。
イーゼルを使って描く人や、立ったり移動しないと描けないような大きな作品を描く人には穴付きのもので、持ちながら描くのがオススメです。机や、卓上イーゼルを使って座って描く人には穴のないもので、置いて使うのがオススメです。
私はペーパーパレットは基本2サイズ使っています。
ニトリで買ったワゴンに100均で買ったトレーを入れると、そこにぴったり収まるサイズを使います。
ズボラな私はよく絵の具で周りを汚してしまうので、作品以外のものを同じ作業台には置かず、トレーに乗せています。
もう一つは1番小さなサイズのもので、仕上げの細部の描き込みや、ちょこっとだけ使いたい時に使います。
陶器製絵の具皿
陶器製の絵の具皿は日本画を描くときに使うものですが、アクリル絵の具でも使いやすいものです。
ペーパーパレットでは作りづらいシャバシャバに薄めた色を作るときに便利です。
ジェッソを塗るときにも便利です。
アクリル絵の具が乾いてもペラっとめくるように取れて、めくって取れなかったところはしばらく水に浸けておくとふやけて簡単に落とすことができます。
乾く前なら拭き取って、残ったものは水を含ませた雑巾やティッシュなどで拭き取れば落ちます。
形は丸いシンプルな形のものと、梅形のもの、菊形のものがあります。
丸いものは一色だけを作るときに使います。
複数の色を作るときは梅絵の具皿か、菊絵の具皿のを使います。
梅絵の具皿は丸みのある皿で、シャバシャバの色を作るとき、菊絵の具皿は底が平なので少量の色を色数多く作りたいときに便利です。
私は丸型は前から使っていましたが、最近は梅絵の具皿を使い始めました。
硬い絵の具で描くときはペーパーパレット、薄く溶いた絵の具で描くときは梅絵の具皿を使っています。
絵の具皿は専用のものでなくても、使わなくなったお皿で、表面がツルツルのものだったら使えます。
牛乳パック
とてもオススメなのが牛乳パックです。
リユースできてエコですし、使い捨てできるのでとても楽です。
牛乳パックを綺麗に洗ってよく乾かし、切り開いて使います。
使うパックは牛乳に限らず、ジュースでもお酒でもキレイに洗えていれば何でも大丈夫です。
食用油のパックなど油分の多いパックは油絵で使うには油分が洗い残しで少々残っていても大丈夫だと思いますが、アクリル絵の具では使わない方がよいでしょう。
ウェットパレット(ウォーターパレット)
ウォーターパレットはスポンジに水分を含ませて、蓋をして絵の具が乾かないように保管できるものです。
絵を描いている最中にも絵の具が乾くのを遅らせることがでしますし、絵の具が沢山残っている状態で制作を中断しても蓋をしていれば乾かずに保管することができます。
ウェットパレットを自作する
ウエットパレットは自分で作ることができめす。
今回はペーパーパレット意外100均のセリアで購入したものをつかっています。
用意するもの
○浅く底が平らな蓋付き容器
この商品は厚みがちょうど良いかと思います。
上の商品だと蓋が邪魔になるかと思い、この蓋が外れるのも用意しました。
○容器のサイズのスポンジ
スポンジは丁度良い厚みやサイズを考えるとこのクッションを分解するのが良さそうです。
○ペーパーパレット○水
作り方
1.容器にちょうど入る大きさにスポンジを切ったり組み合わせたりする。
2.スポンジに水を含ませて容器に入れる。
3ペーパーパレットをスポンジの上に置く。
サイズが合わない場合はカットして合わせる。
完成
ペーパーパレットの代用に、クッキングシートやトレーシングペーパーが使えるそうです。
乾く時間を比較してみた
それぞれにチューブから出したままの絵の具と、少し水を加えてのばした絵の具を用意して、乾燥時間を比べてみました。
1日目 雨 27度 62%
2日目 雨 27度 62%
3日目 晴れ 27度 66%
4日目 曇りのち雨 27度 72%
むき出しのままの絵の具
陶器の絵の具皿に出したままの状態です。
20分後 のばしたところが乾く
2日目 チューブから出したままの絵の具は 表面が乾くが中は乾ききっていない。
この状態が画面の上ならば、筆で普通に塗る分には描けますが、ペインティングでガツガツすると表面が破れて中の絵の具が出てきそうです。
絵の具皿に霧吹きラップ
2日目 変化なし
3日目 1番薄い部分が乾く。チューブから出したままの絵の具は縁が乾き始めている。
4日目 乾く
乾燥具合を見るために何度かラップを半分はずしました。
霧吹きの水も追加してないので、追加があるともっともったかもしれません。
ペーパーパレットに霧吹きラップ
ペーパーパレットに霧吹きで水をかけて、ラップをかけると、乾燥を遅らせることができます。
2日目 変化なし
3日目 絵の具の1番薄い部分とチューブから出した絵の具の縁が乾いていました。
このまま使うと絵の具の中に固まった絵の具が入ってしまうので、大丈夫な部分を何もなってないところに移して使うのが良いです。
4日目 3日前と変わらないように見える
ウォーターパレット
ウェットパレット1日目、白い蓋の方が丸まってしまいました。
厚みがあるケースなので、紙を押さえず丸まってしまいました。
薄いケースの方は大丈夫でしたが、蓋を開けて描いてるうちに丸まってきそうですね。
ペーパーパレットはカットせずに、スポンジを包むようにセットすると丸まらずに良いと思います。
4日たってもまだ変化がなく、普通に使えそうです。
これも霧吹きの水を追加はしていません。
まとめ
アクリル絵の具は乾くと固まって溶けなくなるので、乾くと取れなくなってしまうプラスチックや木の素材は避けましょう。
他に紹介したものならば、 自身の制作スタイルや、作風によって使いやすいものを選べばよいです。
私もペーパーパレットと絵の具皿を使っていますが、制作の手順によって使い分けるのも良いと思います。
是非、あなたにピッタリのパレットを見つけてくださいね。
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