色が上手く使えない 絵描きが覚える色のこと① 色の三属性

色を上手く使えないという悩みはありませんか?

・色が濁ってしまう。

・自然な色味が出せない。

・色をつけるまでは上手く描けるのに、色をつけた途端、拙い絵になってしまう。

・自分のイメージと違う雰囲気になってしまう。

私も綺麗な色が使えず、濁った汚い絵になってしまい、長く解決出来ずに悩んでいました。

それは何故に色が濁るのか理由は分かっていたけど、悪い癖が染み付き、癖になってしまっていたからです。

癖になってしまってからは、直すのが大変になるので、早い段階で知識をつけるのが良いです。

色を上手く使えるようになるには、慣れも必要になるので、それなりに時間が必要です。

しかし、色のことは知識が大きいウエイトをしめるので、

知識をつけることで、飛躍的に上手く使えるようになります。

そこからは、その技術を自分のものにする為に取り組んでいくのですが、そこでも効率的なやり方もあるので、

安心して知識からつけていきましょう。

色についての知識は、デザイナーや、印刷業になると覚えることが沢山あり大変ですが、

ここでは絵描きならこれだけ知っていれば大丈夫という知識に絞ってお話しします。

それでも1記事では書ききれないので、シリーズで書いていきます。

今回は基本の基本で話なので、知識だけざっとお話しします。

けれども、色の話をする時に必ず必要になってくる知識なので、頭に入れておいてください

色の三属性

色の要素は

・色相

・明度

・彩度

という3つの属性から成り立っています。

これを『色の三属性』と言います。

色相

色相とは、赤、青、黄色、緑、紫など、色味のことです 

色相

色の三原色はマゼンダ、シアン、イエローです。

三原色

これを三角形に並べて、隣合う色を混ぜた時にできる赤、青、緑を間並べて

色の三原色と光の三原色

その間も作って、丸い色の輪になったものを『色相環』と言います。 

色相環

明度

明度とは色の明るさの度合いのことです。

明度の1番高いものは白で、1番低いものが黒です。 

彩度

彩度とは色の鮮やかさの度合いです

色味が強いほど彩度が高く、色味が弱いほど彩度が低いです。 

彩度

有彩色と無彩色

有彩色=色味をもった全ての色で、色相、明度、彩度で表します。

無彩色=「白」「黒」とその間の「グレー」で、色味を持たないので、色相や、彩度には当てはまらず、「明度」のみで表します。

トーン

トーンとは、色相の明度や彩度を変えることでできる色の調子のことで、それぞれ誰もが共通して持つイメージを作り出します。

PCCSトーン

これは絵のイメージを作るうえでとても重要になってきます。 

オレンジ色のトーン

これは色相環の同じ位置にあるオレンジ色ですが、明度、彩度の違いで随分とイメージは変わってきます。

オレンジ色の彩度を下げて、明度を上げればベージュになり、

オレンジ色の彩度を下げて、明度も下げると茶色になることがわかります。

補色

補色とは色相環の真逆の位置にある色どうしのことです。 

色相環 補色

補色同士は、互いの色を引き立てるので、配色で使うとインパクトの強いものになります。

逆に補色同士を混色すると、お互いの色味を殺し合い、彩度の低い黒っぽい色になります。

『類似色』

類似色とは、色相環で近い色同士のことです。

色相環 類似色

似ている色なので、配色したとき、なじんだ印象になります。

混色をした場合、濁りづらいです。

加法混色と減法混色

『加法混色』とは、の混色です。

光の三原色は赤、青、緑で、混色するほど明るく白くなっていきます。

多くの光を当てた方が明るくなるイメージですね。

逆に絵の具の混色の『減法混色』は混色するほど、色が暗くなり、絵の具の三原色のマゼンダ、シアン、イエローを全て混ぜると黒色になます。

絵の具は顔料と展色剤でできている

理屈上は赤と青を混ぜれば「紫」になります。

赤と黄色を混ぜれば「オレンジ色」になります。

しかし、その理屈どおりにならない時があります。

例えば、絵の具の赤のチューブを見ると、子ども用以外で「赤」と表記されているものはあまりないと思います。

「バーミリオン」「クリムソンレーキ」「カドミウムレッド」「カーマイン」などなど、カタカナの名前で、色々な赤の種類があります。

「バーミリオン」は朱色に近い赤

「クリムソンレーキ」は紫がかった赤

「カドミウムレッド」はクレヨンの赤のような赤らしい赤

「カーマイン」は紫がかった黒っぽい赤

このように「赤」の中でもその性質は色々です。

絵の具は、顔料(色の粉)と展色剤でできています。(顔料でなく染料が使ってあるものもあります。)

色の名前は材料の顔料の材料(土、炭、鉱物、など)が元になっています。

「カドミウム」「コバルト」「アンバー」「チタニウム」などがわかりやすいですね。

なので、三原色で言われる「純色の赤」はなく、それぞれの顔料の特性があるので、理屈と同じようにいくとは限らないのです。

なので、実際に使って経験で知っていく必要もあります。

展色剤は、絵の具の種類によって変わります。

水彩絵の具は「アラビアゴム」

アクリル絵の具は「アクリル樹脂」

油絵は「ポピーオイル」

です。

名画でみる

ここまでで、絵描きに必要な、色の基礎をざっとお話ししました。

イメージがしやすいように、名画でその使い方を見てみましょう。

レンブラント

彩度、明度が高く、赤、緑と黄色、青の補色対比を取り入れている

ピカソ ゲルニカ

無彩色の明度差で描いている

ゴッホ 夜のカフェテラス

高い彩度で、黄色と青の補色対比を用いている

マグリット 大家族

彩度の低い青の地に、彩度の高い青で鳩を描いている

ゴッホ 夜のカフェテラス

類似色の明度差で描いている

まとめ

色の基礎である「色の三属性」を本当に最小限に絞ってお話ししました。

次の記事からは、実際に絵にしていく時の具体的な話に徐々になっていきます。

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