アクリル絵の具を塗る順番は?水彩風の塗り方を初心者にもわかりやすく解説

こんにちは♪アクリル画家の初香です。

水彩絵の具は小学校でも授業で使う絵の具なので馴染み深い絵の具ですね。

あなたは学校で薄い色から順番に塗っていきなさいと教わったでしょうか?

何故薄い色から塗るのかは、濃い色から塗ると、その色が水でとけて滲んできたり、混ざってしまったりして思わないような色になってしまうからです。

初香先生
初香先生
私は子供の頃、何度もこの失敗をして悔しい思いをしたのを覚えています。

このように、水彩絵の具は薄い色から塗っていくという順番がありますが、水彩絵の具と同じように水で溶いて使うアクリル絵の具には塗る順番があるのでしょうか?

結論から言えば、アクリル絵の具はどんな順番でも塗ることができます。

どんな順番でも塗ることができるという事は、大きなメリットになります。

どんなメリットがあるのか説明し、実際に描いてみようと思います。

アクリル絵の具と水彩絵の具の違い

アクリル絵の具で描いた作品

アクリル絵の具は、水性で水で溶いて使うことができ、水彩風に書くことができます。

では、水彩絵の具とアクリル絵の具は何が違うのでしょうか?

アクリル絵の具と水彩絵の具の違い

大きな違いは、アクリル絵の具は乾くと耐水性になることです。

水彩絵の具は耐水性でないので、乾いた後でも水をつければ溶け出してきます。

対して、アクリル絵の具は乾くと耐水性になることで一度乾くと水をつけても溶け出しません。

この特徴の違いで、絵の具とアクリル絵の具は使える技法が少し変わってきます。

技法の違い

基本アクリル絵の具は、水彩と同じ技法が使えますが、「リフトアウト」ができません。

リフトアウト」とは、色を薄くしたい時や、修正したい時に使う技法で、一度、乾いた絵の具に水をつけて溶かして拭い取る技法です。

空に雲を描くときや、葉っぱの艶を描くときなども、空の色や葉っぱの色を水で拭い取ることで表現できます。

アクリル絵の具は乾くと耐水性になるため、一度乾くと水をつけても溶け出さないため、この技法は使えません。

逆に、耐水性がメリットになるのは重ね塗りです。

水彩絵の具を重ね塗りするときは、先に塗った絵の具が溶け出さないように素早く塗り重ねる必要があるのですが、アクリル絵の具は先に塗った絵の具をしっかり乾かしてから重ねれば、時間を気にせず簡単にきれいに重ね塗るすることができます。

この違いによって、塗る順番を変えることができて、順番を変えることができるということは、大きなメリットでもあるのです。

塗る順番の違い

水彩絵の具は、基本的に薄い色から順番に塗っていきます。

なぜなら、濃い色から塗ると、その後薄い色で塗った箇所に濃い色が溶け出し混ざってしまうことがあるからです。

しかし、アクリル絵の具は一度乾くと溶け出すことがないため、濃い色から順番に塗ることも可能になります。

アクリル絵の具の特徴を活かした描き方

アクリル絵の具は制約が少なく、表現の幅の広い絵の具です。

なので、どんな順番で描いても問題なく、好きなように感覚的に描いてよいのですが、

その特徴を活かした描き方を紹介します。

ブロックイン技法

アクリル絵の具ならではの「ブロックイン」という技法があります。

油絵の技法のグリザイユに似た技法です。

グリザイユと言うのは、モノトーンで明暗を描き、固有色をその上から薄く塗り重ねる技法です。

この方法だとカラーの混色を少なくできて、鮮やかな色味で描くことが出来ます。

初心者の方には色と明暗と別々に分けて考えられるので描きやすいというメリットがあります。

また、水彩画の1番の特徴は紙の白を活かすことですが、明暗を先に書いておくことで、どこを白く残したらいいのかがわかりやすくなります。

オススメの描き方

私がオススメする描き方はブロックインと似ていますが、影だけを先に描いておく方法です。

例えば、猫を描くとします。

猫には毛の色や模様があるため、光の当たったところや影の明暗がわかりづらくなります。

それを描くときに固有色、模様、明暗を同時に描き分けるのはとてもハイレベルな技術です。

そこで、固有色や模様を無視して、最初に影を描き立体感を出します。

その後、固有色を重ねて塗り、その上から模様を書き足すことで、立体感を感じる猫が描けます。

アクリル絵の具で水彩風に描いてみた

アクリル絵の具の特徴を生かして、水彩風に描いてみました。

今回は100均の絵の具、道具だけで描くチャレンジをしました。

写真に載っているもののみで描きます。

色は黒白、赤、黄色、青の5色のみです。

表現の主題になるところから描く

参考作品 虎 模様から描く

今回は虎の模様から先に描き始めました。

今回は虎の立体感をだすよりも、虎の模様を主題として表現したいので、まず模様から描きました。

要の表現を先に描くことで描き上がりのイメージを早くに画面に作ることがでるからです。

完成してからなんかイメージと違うようになってしまったということが少なくなります。

上から重ねて塗る

参考作品 虎 上から色を重ねる

虎の模様がしっかりと乾いてからアクリル絵の具を重ねて塗っていきます。

模様が耐水性になっているため、水を多く使って重ねても、ゆっくり作業しても、何度も筆で触っても溶け出してくることがないため、思い切って作業することができます。

仕上げの描き込み

細かな部分や、特に強調したい部分など描き込みをして仕上げます。

参考作品 虎の完成

まとめ

水彩絵の具は、乾いてからも水をつければ溶け出す特徴があり、アクリル絵の具は乾けば耐水性になり、水で溶け出さないと言う特徴があります。

そのため、水彩絵の具はまず薄い色から順番に濃い色に書き進めていきますが、アクリル絵の具は、そのような順番の縛りがありません。

アクリル絵の具は、濃い色から書き進めることもでき、ブロックインのように明暗から描いたり、ポイントになるところから書き始めることができます。

特に、初心者の方には影を先に塗るのがお勧めです。

明暗から先に描くので、立体的でリアルな絵が描きやすくなるからです。

塗り重ねても溶ける心配がなく、エッジの綺麗な塗り重ねができるので、重ね塗りの表現がしたい人にもオススメです。

自由度の高い絵の具なので、自分の描きやすい順番を探して描いてみてくださいね。

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