こんにちは♪
アクリル画家 絵画講師の初香です。
今回は顔の額縁になる髪の毛を描く方法をお話ししていきます。
オシャレで綺麗な人でも髪の毛がバサバサだったり台無しですよね。
絵の中の人物だって同じ、顔がとってもよく描けても、髪の毛がカツラに見えたり、ワカメに見えたりしたら台無しです。
自然で美しい髪に描いてあげたいですよね。
この記事では立体感と光を感じるリアルな髪の毛を描くポイントを初心者の方にもわかりやすくお伝えします。
あなたの絵の中の人も一層素敵な人になるでしょう。
まずは基本のポイントから見ていきましょう。
目次
髪の毛の描くポイント
3つのポイント
髪を描くポイントは大きく分けて3つのポイントがあります。
「大きく捉えてみる」
「光の向きを見る」
「粗密を作る」
これができれば髪の毛の表現がレベルアップすることでしょう。
1ポイントづつでも身につけていく
たった3つのポイントですが、その中身はかなりのボリュームになります。
全てを完璧にできると良いですが、同時に沢山のことに意識をしなくてはいけません。
水彩風に描く場合はいくつか同時に処理しなくてはいけないので、まずは1ポイントづつ身につけるつもりで確認しながら描くとよいです。
油絵風の描き方なら何層にも重ねて描くので、最初は1ポイント目、次の層で2ポイント目と、分けて考えて進めることができるので、一つの絵で全て意識して描くことができます。
ではそのポイントを細かく説明していきます。
大きく捉えて見る
髪の毛を根元から髪先まで1本ずつ描くと、立体感がなく不自然な髪の毛になってしまいます
髪の毛の一本を描くのは最後の最後です。
髪の毛も立体物と捉えて大きなところから描いていきましょう。
そもそも髪の毛は一本一本とても細いものですが、絵に描く時は、頭部の一部として捉え、塊として意識すると上手くいきます。
面をとる
下書きの段階から面を意識して描いていきます
面とりとはその形がどちらを向いているのかを、形の変わり目を境にして平面で描いていくことです。
顔と髪の毛は別々のものではありません。頭部の球体に一続きにあります。
面を意識することでのっぺりとした髪の毛にならず、立体的に描くことができます。
髪の束感を描く
面で大きな色分けができたら、次に髪の束感などある程度まとまった形を描きます。
この時に髪の毛の束も面を意識できると良いです。
上から下まで同じ色、濃さで描いてしまうと、立体感と光の感じがなくなってしまいます。
水彩風の描き方の場合、束を描くというより、束と束の隙間の暗くなったところを描くことにまります。
光を観察する
光の当たる向き
光がどちらの方向から差してきているのか観察してください。
面が取れていれば、光が1番当たっているところ、1番影になる部分と、その中間がどの程度が当たっているかわかるようになります。
光と影も、顔も含めた頭部として見てください。
光の向きが正面に当たる所が1番明るくなります。
光の透け感
光を透かさないものは、面をとって明暗をつけるだけで充分ですが、髪の毛の場合は光を透かすのでそれも考えなくてはいけません。
髪が頭部の一部として見れるところは、光から逆の向きになれば当然影になるのですが、顎下から光が差し込み当たる部分は透けて明るい影になります。
色味
髪の毛は、そのものが持っている固有色で、部分的に色が違うことがあります。
生え際は黒く毛先は赤く見えるなどです。
そのような固有色に加え、明るい所と暗いところでも色味が変わってきます。
光源の色味にもよりますが、基本的には明るいところは暖色がかり、暗いところは寒色かります
光が透けたところは暖色がかって見えます
反射光
条件によっては反射光もあるので、影の部分に反射光の明るさが入ってくることもあります。基本的に晴れた日中では反射光は寒色がかりますが、周りの色にも影響されます。
艶
髪のツヤは、明るいところを描けば表せます
この時に、面を意識してどこに光が立ってるのか観察して描くと自然に描けます。
粗密をつくる
髪のどの部分も全て細密に描くと、逆に立体感が弱くなります。
密に描写する部分と、細かな描写はせず、さらっと仕上げる部分を作ることで、立体的で自然な髪になります。
髪筋を描く
密に描写するということは、髪の毛一本一本までも描くということです。
気をつけたいのは上から下まで続けて描いてしまわないことです。
ところによっては一本の上から下まで見えることはありますが、基本的には部分的にしか見えません。
艶の部分、明るい部分に髪筋が見える
白飛びしていなければ光が当たった艶の部分が1番筋目が見えるところです。
明るいところと暗いところのコントラストが強いほど、艶が強く見えます。
明るくて白飛びしたところは髪筋は見えなくなるので描きません。
基本的には手前の方に髪筋を描きます、前の方にピントを合わせて、後ろの方をピンボケにするイメージで、前の方を書き込み、後の方は髪筋を描かずにさらっと処理すると前に立体的に出てくる感じに見えます。
他には光が当たったアホ毛を描きます。
アホ毛は見たままを全て描くととてもうるさくなってしまうので、本数を絞って描きます。
流れを意識する
髪筋を描くときは、髪の流れの向きを意識して描きます。
髪の流れる向きが違うととても不自然に見えてしまいます。。
実際に描いてみる
油絵風での髪の描き方
面で塗る
油絵風に描く時は、どんどん上に重ねながら細かくしていくので、まずは大きな明暗の違いから塗ります。その時に面を意識してどの程度明るさがあるのか形の変わり目はどこなのか意識して描きます。
重ねて細かく描く
重ねて少し具体的な形にしていきます。
最初に面で捉えた明暗が崩れないように注意します。
髪の束を描きます。
この時に、髪の束を上の方から下の方まで続けて描いてしまうと面取りの効果がなくなってしまいますウェブがかった髪の毛の場合そのウェーブの中にも面があります。それを意識して書きましょう。
徐々に細かな書き込みにして書き進めていきます。
完成です。
水彩風での髪の描き方
水彩風の場合は、紙の白さを生かさなくてはいけないので、油絵のように面取りはできません。
しかし、頭の中では必ず面を意識して塗っていきましょう。
大きく塗り分ける
まずは髪の明るい部分をピックアップして大きな形で塗り分けます。
髪筋の明るいところは避けて塗り残すように、少しずつ暗い色を塗っていくので、最初に暗く塗ると髪筋が表現できなくなってしまいます。
部分部分の髪の毛の中で1番明るいところの色で塗るようにします
この段階で立体感と光の状態が表現できていると上出来です。
マスキングインクで明るい髪を描く
マスキングは必須ではありません。
使いたい時は使う感じてよいと思います。
明るく残したいところをマスキングインクで描きますここで丁寧に書かないとカッコ悪くなってしまいます。
マスキングインクを使った筆は、筆洗液につけておきます。
束感を描く
描き込みを少し細かくして紙の束感を描いていきます。
明るいところを残して暗いところを描きます。
暗いところ描く時は、上から重なった髪があると、そこを避けて塗りますが、上の束の後ろで自然につながるように描いてください。
ここが描けたらマスキングを落とします。
髪筋を描く
髪筋を1本1本描いていくイメージで描きます
髪筋は髪の毛全体に描くと不自然になります。
髪筋は艶の部分とアホ毛の部分に描きます。
手前のほうの髪の毛にしっかり描き、後ろのほうの奥まった方はあまり描かずにさらっと仕上げると立体感がよく出ます。
完成です。
まとめ
①面と光の向きを意識して描く
②髪の毛全体の大きな形から描く
③明るく残したいところは避けて塗るかマスキングインクを使う
④束感を描く
⑤上筋は、艶の部分、アホ毛の部分に描く
⑥明るいところは暖色、暗いところは寒色がかっている
⑦光の透けたところは暖色がかる
いかがでしたか?色々意識しないといけないことがありますが、一つ一つやっていけば良いです。
参考にするものも重要です。
まずは写真で練習するのが良いですが、写真によってはどちらから光が当たっているのかわかりにくいものもあります。
光の向きがわかりやすく、ストレートの髪が最初は描きやすいと思います。
髪を綺麗にして、あなたの絵の人も美人にしちゃいましょう♪
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