アクリル絵の具で固まってしまった筆やパレットを蘇らせる。頑固な絵具の落し方

「弘法筆を選ばず」と言いますが、実際の所、弘法大師は筆にこだわり、高級な筆をつかっていたらしいです。

絵を描くにしても、道具は大事です。

筆先の割れたような筆で描いていたらいい絵は描けません。

と、偉そうに言っていますが、

何度も何度も筆を固まらせダメにしてきたずぼらな私が、

固まった絵の具を落し、パレットや筆を復活させる方法をお伝えします。

アクリル絵の具は乾燥するとなぜ落ちにくくなるのか

水彩絵の具は乾いてもなぜ簡単に落とせるの?

水彩絵の具は固まっても水をつければ溶けてきます。 

水彩絵の具は、顔料(色の粉)とアラビアゴムが練りあわされているもので、 

アラビアゴムが顔料を定着させる接着剤の役割をしています。 

そのアラビアゴムは水溶性で、固まっても水に溶ける性質だからです。 

アクリル絵の具の場合

アクリル絵の具は顔料とアクリル樹脂が練りあわされているもので、

このアクリル樹脂は、乾く前は水溶性で水で薄めて使うことができますが、 

一度固まると耐水性になり、堅牢な被膜をつくるので、水に溶けることはありません。 

これがアクリル絵の具が乾くと落とし辛くなる要因です。 

アクリル絵の具はあっという間に固まっていく

アクリル絵の具は水分が蒸発して固まります。 

なので、一度出したアクリル絵の具は絵を描いている間にもどんどん乾燥してしまいます。 

乾く前なら簡単に落とすことができる

アクリル絵の具は乾燥前なら水で簡単に落とすことができます。 

環境の為にそのまま水に流すことはせず、 

湿らせた布やキッチンペーパーで、できるだけ絵具をふき取ってから、水洗いしてください。 

固まった後の落し方

アクリル絵の具は、時間がたつほど落としづくなります。 

落としづらくなると、薬品を使ったり、ゴシゴシこすったりと、筆やパレットを傷ませてしまうようなその強い方法で落とさなくてはいけなくなります。

もしも、乾いてしまった後でもなるべく早く対処してください。 

絵具の厚みによっても難易度が変わってきます。 

ここでは、パレットや筆が痛みづらい、パレットや筆にやさしい順に書いていきます。 

乾いてすぐ、薄い汚れ、落ちにくさレベル1

方法1 

使うもの お湯(水) 台所用スポンジ (筆の場合は石鹸も)

1、40℃~50℃くらいのお湯、又は水に浸け置きする。 

早いものだと数十分くらいで柔らかくなり落としやすくなります。頑固なものは一晩置いてください。 

2、パレットは絵具が柔らかくなったらスポンジでこすって落とす。 

  筆は指で優しくほぐしながら落とす。 

3、筆は石鹸で洗い、すすいだら、形を整えて自然乾燥させる。 

時間がたったもの、厚みのある汚れ、落ちにくさレベル2

厚みのある絵具はペロッと剥がれることもあるので、レベル1よりも簡単に落ちることもありますが、 

そうでない場合とても落とし辛くなります。(特にガッシュは固く頑固になります) 

方法2 マジックリンをかけて10分置いてから 、パレットはスポンジでこする 。筆はほぐして洗う 。

方法3イソプレパノール消毒液をキッチンペーパーに染み込ませて汚れに貼る。 

    柔らかくなったところパレットはスポンジでこする。  筆はほぐして洗う。 

上記のやり方で落ちなかった汚れ、落ちにくさレベル3

方法4 専用クリーナーで落とす 。

    専用クリーナは色々なメーカーから販売されています。 

    表示の使い方をよく読んで使ってください。 

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方法5 お湯に浸け置きした後、重曹orメラミンスポンジ もしくは、重曹&メラミンスポンジでこする 。

方法6 除光液をコットンに含ませ、絵具を溶かして落とす。 

方法7 パレットの絵具をスクレーパーでこそぎ落とす。 

方法は下の方に書いたものほどパレットや筆を傷めやすくなります。 

パレット正面に傷が付くとそこに絵の具が絡みこむようになるのでより落としづくなります。 

筆は上手く絵具を落とすことができても、筆先が割れたり、癖がついたりして描きづらくなるので、結局使わずに捨ててしまうことになります。 

パレットに染み込んだいろは

染み付いた色は新たに出した絵具に混ざりこむことはないので、そのままでも問題ありませんが、きれいにしたければ、消しゴム擦れば薄くなります。 

他には市販のパレットクリーナーを使うのも手です。

O.アクリルガッシュ パレットクリーナー商品詳細ぺージ | ターナー色彩株式会社 | TURNER COLOUR WORKS LTD.

アクリル絵の具を固まらせない扱い方

予防

製作中にもどんどんアクリル絵の具は乾燥して固まってきます。

気付いたら筆がカチカチってことにならないように、予防しましょう。

筆は水彩画のときと同じです。

製作中使っていない筆は水バケツに入れて乾燥しないようにします。

すぐに使う予定のない筆を長い時間水バケツに入れたままにしておくと、筆先に癖がついたり、筆先を傷めてしまうので、

そうならないよう、よくすすぎ筆先を整えて出しておきましょう。

パレットに出した絵の具はどんどん乾燥していきます。

霧吹きで常に湿らせておくのが良いです。

私は絵を描きだすとパレットの乾きにも気付かず、乾いた部分も一緒に混ぜてしまって、

半熟具合がいい感じのスクランブルエッグのような絵の具になってしまうことがよくあります。

そんな絵の具はいただけません。。。

保管

油絵の具はパレットの上に出したものでも、ラップをしておけば数日使うことができますが、

アクリル絵の具はそういうわけにはいかなないので、使い切る分だけの絵の具を出すようにしましょう。

絵の具のチューブは蓋をしっかり閉めてちょくしゃに当てないように保管すれば大丈夫です。

当然ですが、何年も経てば固まります。特にガッシュの方が固まりやすいです。

それはもう諦めるしかありません。

お勧めアイテム

ペーパーパレット

アクリル絵の具を使うならば断然ペーパーパレットがお勧めです。

ペーパーパレットは紙が何枚も重なっていて、使ったら1番上の紙をめくって捨てるだけの使い捨てです。

常に綺麗な状態で使えるますし、洗う手間もありません。

ペーパーパレットはどこのメーカーのものでも大差ありません。

サイズや形は色々あるので、好きなものを選んでください。

100均のものでも充分に使えます。

私は水彩画はプラスチックパレット、油絵、アクリル画を描く時はペーパーパレットと使い分けています。

一度に沢山の絵の具を使いたい場合は、紙コップを使うのも手です。

陶器の絵皿

使い捨てをしたくない人には、陶器の絵皿がおすすめです。

プラスチックのパレットよりもアクリル絵の具が剥がれやすく、ペラっとめくることもできます。

陶器の絵皿に長期間放置した絵の具を取ってみました。

熱湯を入れて30分(もっと短くて良かったと思います)置いたのちめくると簡単に剥がれてきました。

ブラシクリーナー

固まった絵の具をとるクリーナーもありますが、

普段の片付けの時に筆を洗うためのクリーナーも販売されています。

絵の具汚れがスッキリ落とせると同時にリンスも入っていて筆のコンディションを整えることができめす。

クリーナーにはアクリル用や油絵様など種類があるので間違えないように選んでくださいね。

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まとめ

アクリル絵の具が固まってしまったパレットや筆も復活させることができます。

しかし、長時間放置しまったりするとより強い落し方をしなくてはいけなくなり、パレットや筆が傷む原因になります。

できるだけ早く対処して、筆やパレットに優しく簡単に落とすようにしましょう。

綺麗な道具で、素晴らしい作品を描いていきましょう

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