アクリル絵の具は速乾性で、一度乾くと耐水性になり強固な画面をつくるという性質が、作品つくりの上では大きなメリットになります。
しかし、その魅力的な性質が、「汚れ」となると逆にとても落とし辛い厄介なものになってしまいます。
とても落とし辛く、落とすのに時間もかかります。
時間をかけて落としても、染み込んだ顔料が取れなかったりと、すっきりと取れない場合もあります。
私は絵を描くときは汚すことが前提で準備をしておきます。
服は、100号や130号など大作を描くときはつなぎ、
小さい絵の場合は汚れても構わない服にエプロンをして描いていいます。
汚れる心配をしなくてもよい上に、作業着に着替えることで「よし!描くぞ!」と気持ちが入るので私は好きです。
私は絵を描いてると周りが見えなくなるので、いつのまにか周りはごちゃごちゃ、うっかり腕を何かに当て
たりして水バケツをひっくり返したり、パレットの上に物を置いたり。。。。
そこで、作業台は汚れてもいいものを使い、床にシートをしいたり、パレット、水入れは作業台に乗せず、囲いのあるワゴンに乗せて使い周りを汚さない工夫をしています。
それでもうっかり、床や壁、服などに絵具を付けてしましまうことはあります。
そんな時の為にアクリル絵の具の落し方を紹介します。
アクリル絵の具は乾く前に落とすのが鉄則
アクリル絵の具は乾くと耐水性になる。
アクリル絵の具は乾くとアクリル樹脂が固まり、ビニールの被膜の様になり、水に溶けることはありません。
布にアクリル絵の具が付いた場合、ビニール状の樹脂が布の繊維の中に入り込んで固まるということなので、その落とし辛さはイメージできるのではないでしょうか。
アクリル絵の具の乾く前は、アクリル樹脂がまだ水に溶ける状態なので、乾く前に落とす方が圧倒的に楽なんです。
乾いた後だとしても、なるべく早い方が落としやすいです。
樹脂が落ちても染み込んだ顔料が残る場合もあります。
これは顔料の性質の違いによって、落ちやすい顔料と、落ちにくい顔料があって、比較的寒色系が落ちにくいようです。
乾く前の落し方
〈服〉
1、先ずはすぐ水に浸ける
アクリル絵の具が乾くのを防ぐために、汚れたところをいち早く水に浸けてから用意を始める
2、40℃~50℃くらいのお湯を容器に入れ、絞った服を入れる。
3、洗濯洗剤を汚れに付けもみ洗いする。
4、新しいお湯に酸素系漂白剤を溶かし1時間程度浸ける
5、普段の様に洗濯する
〈壁、床〉
1水で濡らした雑巾で塗り広げないように拭く
乾いてしまったアクリル絵の具を落とす方法
服
1汚れの下にタオルなど汚れてもよいぬのを敷き、よごれにクレンジングオイルを付ける。
2下のタオルに汚れを染み込ませるように歯ブラシでこする
3クレンジングオイルをふき取り、1~3を何度か繰り返す
4普段の様に洗濯する
壁、床
1除光液をコットンに染み込ませ、汚れた部分を叩く
2洗濯洗剤を付け、歯ブラシで優しくこする
3濡れた布で洗剤をふき取る
一度目立たないところで試してください。
私は「きっと大丈夫♪」と壁紙に除光液を付けたら壁紙がボロボロと剥がれ落ちてきました
除光液が使えない場合は代わりにクレンジングオイル試してみるか、除光液を省いて洗濯洗剤だけで試してみてください。
私は床に被膜の様に付いたアクリル絵の具は、床を傷つけないように気を付けながら、定規などをスクレーパーの代わりに使って剥がすように落とすこともあります。
皮膚
皮膚に付いたアクリル絵の具も時間がたてばたつほど落とし辛くなります。
安全性の面でも、あまり長く皮膚に着けたままにせずに早めに落としましょう。
クレンジングクリームを馴染ませ、温水で洗うと比較的早く落とすことができます。
アクリル絵の具のクリーナー
アクリル絵の具の専用クリーナーも販売されています。
頑固な汚れには使ってみるのも良いかもしれません。
クリーナーは色んなメーカーから数多く出ていますが、その中で、衣服に使えると明記してあるものだけをピックアップしました。
ターレンススーパークリーナー 120ml【NEW!】 | 製品情報 | ターレンスジャパン (talens.co.jp)
<Discontinued> ハイパークリーナー100 35ml | ニッカー絵具|ニッカー絵具 株式会社|ポスターカラー アクリル絵具 絵の具 壁画 不透明水彩 (nicker-enogu.com)
まとめ
アクリル絵の具は速乾性で、乾くと耐水性になり、堅牢な画面ができるという特性は、作品を作るうえではとても魅力的なものです。
しかし、その特性の為、汚れとして付いて乾いてしまうととても厄介な汚れになってしまいます。
先ずは汚れても良い服を着るなど、汚れること前提の準備と、床に新聞紙を敷くなど、汚れを防ぐ準備をしてから制作に取り掛かりましょう。
汚してしまったときは時間との勝負です。
なるべく乾く前、乾いてしまったとしても早く対処をする方が落ちやすいです。
乾いてからは落とすのが大変ですが、根気よく落としてください。
専用のクリーナーを使うのも良いでしょう。
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