アクリル絵の具の使い方:「木材編」初心者にもわかりやすく解説

こんにちは♪

アクリル画家の初香です。

絵を描くというと、まずイメージするのが、紙かキャンバスではないでしょうか?

アクリル画を描くのによく使われる支持体で、パネルというものもあります。

パネルは木枠にベニアが貼ってあるものです。

私は布にアクリル絵の具を染み込ませるように描いて作品をつくっていますが、

その布をパネルに張っています。

パネルにアクリル絵の具で描いたものを布から透かすことでふわっとした優しい表現になることも効果として狙って描いています。

パネルに描いた木の影を上に張った布から透かせて見せている

アクリル絵の具を塗りたいものはパネルだけに限りませんね。

吾輩はパネルじゃなくて丸太に描きたいです!
助手ネコ
助手ネコ

木板、枝、木材と言っても。種類も形状もさまざまです。

今回はそんな木材にアクリル絵の具を塗ることについてお話ししようと思います。

アクリル絵の具は木材に塗れるか

木に色を塗るイメージ写真

アクリル絵の具は色々な物に塗ることができる便利な絵の具で、

もちろん木材にも塗ることができます。

木は湿気を吸ったり出したりすることで、伸縮しますよね。

アクリル絵の具は乾いても弾力があり、木の伸縮に耐えれるので、

木にアクリル絵の具は相性が良いとも言えます。

油絵の具だとカチカチに固まるので、木の伸縮に耐えられずひび割れや剥離が起こります。

古い絵がひび割れているのもこういう理由もあるからです。

そんな木に適したアクリル絵の具ですが、注意しなくてはいけないことがあり、下処理をする必要もあります。

ではどんなことに注意する必要があるのでしょうか?

木材にアクリル絵の具の塗る時の方法もお話ししていきます。

木材の選び方

木材のイメージ写真

乾燥した木

木は切ったばかりだととても水分量が多いものです。

木も乾燥すると乾物のように体積が小さく縮みます。

そのときに、曲がりや反り、割れが生じます。

もし、充分乾燥していない木材にアクリル絵の具で描いた場合、しばらくしてから変形したり、割れたりしてしまうということです。

買ってくる木材は乾燥処理がしてあると思いますが、よく確認して買うようにしてください。

(昔買った角材が大きく捻れてしまったこともありました)

木材屋は木材を天然乾燥では半年~1年

大きなものは2~3年かけて乾燥させるそうです。

自身で木材を用意する場合は風通しのよいところで充分乾燥させてから描きましょう。

アクやヤニの出る木

木は天然素材なので、アクやヤニが出て絵を汚すことがあります。

パネルの場合

絵を描くときに用いるパネルですが、表面の合板の違いで、シナベニアラワンベニアがあります。

シナベニアはアクやヤニが出にくい素材なので、通常の下地塗りだけでアクリル絵の具を塗ることができます。

ラワンベニアはシナベニアよりもリーズナブルですが、アクの出やすい素材です。ね

ウッドプライマーヤニ止めシーラーなど、ヤニやアクを出ないようにする下地剤を塗ってから使うのも手ですが、

ラワンは表面も荒いので、はじめからシナベニアを買った方が良いでしょう。

パネル以外の木材の場合

ヤニが出やすいのは針葉樹です。

逆にアクの出やすいのは広葉樹です。

どっちにしろヤニかアクかは出るということなので、どちらを選んでも良いでしょう。

その代わりヤニやアクを止める下地処理は必須です。

用途に合わせて選んだり、色や木目の好みで選べば良いと思います。

木材への塗り方

木に描いた絵

パネル

シナベニアの場合、表面の凹凸も少なく綺麗なので、下処理は特に必要なく、

下地剤のジェッソを塗るだけで大丈夫です。

ジェッソはハケで2~5回塗り重ねます。

塗りづらい場合は少量の水で薄めると塗りやすくなります。

薄めすぎると定着が悪くなるので注意。

一回一回しっかりと乾燥させてから塗り重ねます。

塗る方向は縦、横交互に塗ると良いでしょう。

24時間乾燥させてから描き始めてください。

ハケ跡が気になる場合は紙やすりの#200位以上のものでやすります。

ダストを吸わないようにマスクをしてやってください。

木材が見えないように塗る場合

下処理

やすりがけをして、表面を整え、ささくれをとります。

アク、ヤニ止め

ウッドプライマーか、ヤニ止めシーラーを塗ります。

既にヤニが出ている場合は、メタノールか、アルコールでふき取ることができます。

ターナーの「ウッドプライマー」を使いました。

白色をしていて、ジェッソのような感じです。

アクリル絵の具を塗る

しっかりと乾燥させてからアクリル絵の具を塗ります。

木を見せる塗り方の場合

使ったのはセリアの焼き目つき杉材

下処理

やすりがけをすると綺麗になり、定着もよくなるので、やすりがけをするのが良いですが、

今回は焼き目をつけてある木板なので、やすると木目が削れてしまうので省きました。

アク、ヤニ止め

透明のヤニ止めシーラーをぬります。

シーラーを塗った段階で写真を撮り忘れました。

白い色付きだと木の色が消えてしまうので、

ホルベインのヤニ止めシーラーを使いました。

アクリル絵の具を塗る

シーラーがしっかりと乾いてからアクリル絵の具をぬります。

発色を良くするためには絵を描く部分の下にジェッソを塗っておくとよいです。

左が直接アクリル絵の具を塗ったもの

右がジェッソを色をつける部分だけ下地に塗ったもの

バーニッシュを塗る

ヤニ止めシーラーは割と艶感が出ました。

アクリル絵の具と艶感の違いがあるので、均一にしたければ、お好みの艶感のバーニッシュを塗ると良いです。

木材を活かした表現

使ったのはセリアと杉材

木目の凹凸を活かした表現をするときは、ハケ目が強く残らない方が木目らしくできます。

ハケを木目の流れにそって塗ると不自然な跡が残らないです。

重ね塗りでかすらせる

参考作品

下に濃い色をのせておいた上からかすらせる様に塗ると木目の凹部分に絵の具が入り込まず、木目を活かす塗り方になります。

この時は木目の流れに垂直になるように塗ると木目が出しやすいです。

絵の具を重ね塗りしてからヤスリをかける

ヤニ止めシーラーか、木専用メディウムを塗った上に、何層か色を塗り重ねる。

色相や明度が離れている色で塗り重ねる方が、層の感じがよく出ます。

好みの調子になるまでヤスリをかける。

彫刻刀で彫る

私は色々な画材や技法、素材などを試してみるのがとても好きなので、今までに色々な試みをしています。

抽象画を描いていたときですが、木にアクリル絵の具で描いてから、

彫刻刀で絵の具ごと下のシナベニアのシナ部分を彫って(シナの下の層が出ないように)木を見せる表現をしていたこともあります。

彫刻刀で彫るとその部分の木目があらわになるので、バーニッシュなど保護剤を上からぬります。

まとめ

木を塗るイメージ写真

木にアクリル絵の具を塗る時は、しっかりと乾燥している木を選びましょう。

木の種類によるが、アクやヤニが染み出さないように下地剤を塗ります。

アクリル絵の具で思い思いの表現をしてください♪

木にアクリル絵の具で絵を描く場合、注意しなくてはいけない点はありますが、

木はアクリル絵の具と相性が良く、木目を利用した表現もできます。

味わいある表現もできるので、楽しんで描いてみてくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です