こんにちは♪

アクリル画家、絵画講師の初香です。

今回は アクリル絵の具を使った筆の洗い方 のお話をしていきます。

私はズボラな性格なので、昔油絵を描いていた時は随分と筆を固めてしまっていました。

初香先生
初香先生
苦い思いを何度もしたので、今は筆を固めない大人になりましたよ笑

 

アクリル絵の具の筆の手入れは、油絵の筆より圧倒的に楽にできます。

それでも気をつけていなければ筆がカチカチに固まって使い物にならなくなってしまいます。

そうならないためにアクリル絵の具を使った筆のメンテナンス方法をしっかりとお伝えします。

 

乾くとカチカチになる筆

硬くなった筆の写真

水彩との違い

水彩絵の具は使ったことない人は居ないと思うのでイメージしやすいと思いますが、筆に絵の具がついたまま絵の具が乾燥すると、筆もガチガチに固まってしまいます。

水彩絵の具の場合はガチガチになった筆でもしばらく水につけておいて、気長にほぐして洗えば絵の具は落ちます。

 

 しかしアクリル絵の具は一旦乾燥すると耐水性になって、水に浸けても溶けることはありません。 

なので一度固めてしまうともう使えなくなってしまいます。

 

メンテナンスの必要性

そのため、筆を使ったら乾かないうちに絵の具をしっかりと落としておかなくてはいけません。

丁寧にメンテナンスすることで筆を長持ちさせることも出来ます。

 

筆の下ろし方

 

 新しい筆は糊で固められています。 

指の腹を使って、穂先から根元に向かって優しく揉みほぐしていきます。

もみほぐせたら綺麗な水で振り洗いして、きれいな雑巾で水着を優しく拭き取ります。

筆を下ろしたらキャップは捨ててください。

 

 濡れたままキャップをすると、筆を痛めてしまう原因になります。 

 

使用中の筆の洗い方

筆を洗うイメージ

まだ絵を描いている途中に、筆を洗う場合の洗い方を説明します。

今回はSDGsに考慮して、環境に少しでも優しい筆の洗い方を紹介します。

 

環境に影響

アクリル絵の具は固まってない状態で水に流すと処理しきれなかった成分が水生生物に影響を与えると言われます。

固まった状態はマイクロプラスチックです。

 

 なるべくアクリル絵の具を水で流さないように最小限に留める必要があります。 

 

水で洗う前に拭く

 

 絵の具のついた筆は、水で洗う前に雑巾なので、拭って水に溶ける分を少なくするのが鉄則です。 

 

筆についた絵の具を拭い取る

間違っても絵の具がたっぷりついた筆をそのまま水で洗わないようにしてください。

絵の具がたくさんついたまま水洗いしない

水洗い

水バケツは3つか4つのスペースに分けられています。

1つのスペースは常にきれいな水にしておくために、そこで筆は洗いません。

 

 絵の具に水を足すときに使います。 

他のスペースで筆を洗います。

1つ目のスペースで、ある程度の絵の具を振り洗いで落とします。

2つ目のスペースで仕上げ洗いをします

水バケツで筆を振り洗いする

3つ目のスペースがあれば、念押しの仕上げ洗いをします。

使わないときは

すぐに使わない場合は、その仕上げ洗いのスペースに筆をつけておきます。

長時間の制作になり、長い時間水につけることになりそうでしたら、いちど片付けるときのメンテナンスをしてしまって、水から上げておきましょう。

 

 水に入れっぱなしにすると、穂先が痛んだり軸が痛んでしまいます。 

 

使い終わった後のメンテナンス

筆の片付けのイメージ写真

その日の制作が終わり、片付けるときの筆のメンテナンスをお伝えします。

拭う

絵の具がたくさん付いている状態で、いきなり水につけないように雑巾なので、しっかりと絵の具を拭います。

筆を脱ぐときに、力を入れすぎると、繊細な筆は痛んでしまいますので、優しく拭いとって下さい。

水バケツで洗う

大体の絵の具が取れたら水バケツで洗います。また1つ目のスペースで大体の汚れを落とし、2つ目3つ目のスペースで仕上げ洗いをします。

水の中で洗う場合は振り洗いをしてください。

雑巾で拭う

水の中で振り洗いが終わったら雑巾で拭います。

 

 拭った時に、絵の具が出てくるようでしたら、2、3度水洗いを繰り返してください。 

 

水分を拭き取る

流水と石鹸で洗う

水バケツで洗った状態で、きれいに落ちているように見えるかもしれませんが、 筆の根元のほうに少し残った絵の具が固まり、根元の方から徐々にカチカチになっていきます。 

 

筆に水を含ませて、石鹸をつけます。

石鹸を付ける

 

 手のひらに優しく押しつけてのの字を書くように回して洗います。 

 

手のひらで回して洗う

この時の力加減が重要です。

 

 強く押しすぎると筆の根元で毛が絡まり筆が傷んでしまいます。 

 

強く押し付けると傷む

根元が少し開き、そこに石鹸が入り込む程度に押さえます。

次に指の腹で根元からしごくようにして洗います。

根元から筆先にしごくように洗う

流水の下で、同じように手のひらの腹でのの字を書くように回しながらすすぎます。

流水を当てながら手のひらで回しながらすすぐ

石鹸に絵の具の色が出てきている間は何度も繰り返します。

 

リンスをする

動物の毛の筆の場合、石鹸で洗うとバサバサになることがあります。

リンスをすると滑らかになり長持ちもする様になります。

注意したいのは、リンスのコート成分によって絵の具の含みが悪くなることがあることです。

 

 筆を洗う専用の石鹸があります。 

 

それを使えば筆を傷めずに優しく洗えます。

 

 筆をコートする成分の入った洗浄液もあるので、高級な繊細な筆にはこよのうなものを使うのが良いと思います。 

アクリル絵の具にはナイロン筆が相性が良いので、私はほとんどナイロン筆をつかっています。

ナイロン筆にはリンスな必要ありません。

 

 拭う

綺麗な雑巾などで水気を拭い穂先の形を整えます。

水気を綺麗な布で拭い、穂先を整える

しっかりと乾かす

風通しの良い場所でしっかりと乾かします。

湿った状態だと筆が傷んだり、軸がカビたりします。

筆先が長持ちするように 穂先を下にして吊るして干す ことがオススメです。

セリアに化粧筆を逆さにして乾かすものが売っているそうなので、その様な便利グッズを使うのもいいですね。

ドライヤーで乾かすのはNGです。

毛が傷んでしまいます。

 

保管

しっかり乾かしてから保管しましょう。

 

 保管する時は穂先が何かに当たって曲がったり、形が崩れないように立てて保管します。 

立てて保管できない時は、筆をまとめて保管できる画用筆ケースに入れて保管しましょう。

まとめ

筆を洗うイメージ写真

弘法筆を選ばずといいますが、実際は良い筆を選んでいたそうです。

筆先がバサバサだったり、カチカチだったら思う様な絵は描けません。

筆をしっかりメンテナンスして、常にベストな状態で絵が描けるといいですね。