初心者のためのアクリル絵の具セット:選び方を紹介

 

これからアクリル絵の具で絵を描いてみたいと思っている人は、いろいろなアクリル絵の具の商品がある中、どんな絵の具を選んだらいいのか、どんな道具を買ったらいいのかわからないかと思います。

アクリル絵の具がどういうものなのか、触ってみたことのない人には、100均で試してみるのもお勧めです。

 

初香先生
初香先生
私は初心者の方にはとにかく枚数たくさん描いて、絵の具も支持体(紙など)もどんどん消費してもらいたいので、どうしても安さ推しになってしまいます。
吾輩は最初からこだわりたいです。
助手ネコ
助手ネコ

自分の描きたいイメージが決まっている方は、値段にかかわらず、自分に合った絵の具や道具を買うのもいいと思いますが、

いろいろなメーカーからいろいろな商品が出されているので、何を選んだらいいのか迷ってしまいますよね。

私もいろいろな絵の具を買ってきました。

中には、自分には合わないなぁと思うものがあったり、あれもこれもと買ってはほとんど使わずにしまい込まれたままになってしまったものもあります。

今はこれと決まったものがあるので、無駄に買う必要は無いのですが、自分の制作に使うことの無いものでも、気になる絵の具があるとつい試してみたくなり、色々と買ってしまいます汗

アクリル絵の具を買おうと思っている人に、なるべく無駄がなく、自分の描きたいものに合ったものが選べるように選び方をお話ししていきます。

必要な道具

絵を描くには、色々と道具が必要になりますよね。

アクリル絵の具は、最初は水彩絵の具とほぼ同じ道具で始められるので、すでに水彩で道具を持っている人は、その道具をそのまま使えます。

アクリル絵の具

指示体(紙やキャンパス、パネルなど)

パレット

水バケツ

これだけあればアクリル絵の具で絵を描き始めることができます。

水彩絵の具をやっている人は、アクリル絵の具さえ買えばすぐに始められますね。

 

アクリル絵の具の選び方

アクリル絵の具は比較的お求めやすい価格ですが、色数を揃えようと思うと、それなりににお値段がかかります。

今は100均にもアクリル絵の具が売ってあるので、最初はそれで試してみるのもありだと思います。

アクリル絵の具もいろいろなメーカーからいろいろな商品が出ているので、何を選んでいいのか悩みますよね。

どのようにアクリル絵の具を選んだら良いのか説明します。

 

アクリル絵の具とは

まずはアクリル絵の具がどのようなものなのかを説明します。

アクリル絵の具は、顔料(色の粉)をアクリル樹脂で練ってある絵の具です。

アクリル樹脂は、水性で水で溶けるので、水彩と同じように水で濃さを調節して描くことができます。

水彩と違うのは乾くと耐水性になることです。

耐水性になるので、一度乾くと水に濡れても色が溶け出すことなく、また耐久性や耐光性も強いため、野外での作品にも使うことができます。

アクリル樹脂は、定着が強いものなので、紙やキャンバス、パネルだけでなくいろいろなものに描けるのが特徴です。

例えば、石、木、プラスチック、金属、ガラス、陶器などです。

他にもメディウムを使うことで、色々なテクスチャーを楽しむことができるので、とても表現の幅が広く扱いも簡単なものです。

 

アクリル絵の具とアクリルガッシュ

アクリル絵の具を買うときに、注意してもらいたいのが、アクリル絵の具とよく似た「アクリルガッシュ」と言うものがあるので、間違えないように買ってください。

アクリル絵の具、アクリルガッシュの何が違うかと言うと。

イメージ的には、透明水彩とポスターカラーのような違いです。

(若い人はポスターカラーを知っているのでしょうか?)

アクリル絵の具は、透明または半透明であるのに対して、アクリルガッシュは不透明な絵の具です。

アクリル絵の具は、その透明を生かして、ぼかし、にじみ、重ね塗り、厚塗りなど塗り方を工夫し絵画的な表現ができるものです。

一方、アクリルガッシュは不透明で均一に塗れるので、ポスターやデザイン画、イラストに適したものです。

アクリル絵の具とアクリルガッシュの作られ方の違いは、顔料とアクリル樹脂の比率の違いです。

顔料(色の粉)には定着力がありません。アクリル樹脂が顔料を画面に定着させる接着剤の役割をしています。

アクリル樹脂は、乾くとビニールのような弾力があるものなので、その量が多いほど、キャンバスのようなたわむものに描いてもひび割れたり剥離したりしにくいものですが、

アクリルガッシュは、そのアクリル樹脂が少なく、顔料が多いので定着力が弱くなり、ひび割れ剥離などしやすいものです

そのため、アクリルガッシュは、ポスターやデザイン画、イラストなど、基本的に印刷物等複製のものに使われます。

作品、長期保管したい場合は、アクリル絵の具の方を選んでください。

 

何に描きたいか

何に描きたいかによって選ぶこともできます。

基本的にはスタンダードなチューブ入りの絵の具で描けないものはありません。

あなたが、既に何にどのように描きたいか決まっている場合、スタンダードなチューブ入りの絵の具でも充分遜色なく描くことができますが、特徴のある絵の具を買うのもありだと思います

紙に水彩画のように描きたい場合は、リキッドタイプもオススメ、最初から液状なので混色が楽にできたり、色を薄めたときに定着力が弱くなる心配も減ります。

キャンバスや、パネルに油絵のように描きたい場合は、粘度の固めの絵の具を選ぶのも良いと思います。

メーカーによっては金属は得意だけども、ガラスは不得意など得意不得意がある場合もあるので、それをチェックして買うのも良いでしょう。

 

セットで買うか、単色で買うか

 

筆やパレットなども一緒にセットになっているものは、最初何を揃えたら良いのかわからない初心者の方でも何も考えずに必要最低限の道具がそれを得られるので便利だと思います。

絵の具のセットもありますが、セットの中に入っている色が基本色が揃わないことがほとんどで、なぜか扱いにくい色が入っていたりすることもあります。

結局、単色売りの絵の具を買い出さなくてはいけなくなりますが、初心者の方はそれに気づかずに、使いづらいものをずっと使い続ける危険性もあります。

ただ、セット売りの絵の具は、チューブのサイズが小さく始めやすいサイズになります。いろいろなメーカーを試してみたい。人にはセット売りで試してみるのも良いと思います。

これがあると良いと言う基本色は、画家によっても、違ったりメーカーによってカラー名が違ったりややこしいですが、私がお勧めする基本色を紹介します、単品買いする時の参考にしてください。

 

チタニウムホワイト  ジンクホワイト

チタニウムホワイトは不透明な白色です。

はっきりとした白で、この白一本あれば充分です。

ジンクホワイト(ミキシングホワイト)、は、半透明な白色で、この色だけでは使いづらいですが、他の色に混ぜて使う場合、白浮きせず、色味を鮮やかに出すのに使える白です。

 

アイボリーブラック  マースブラック

アイボリーブラックは暖色がかった黒色で少し温かみの感じる色味です。

マースブラックは感触がかった黒色で少し冷たく感じる色味です。

好みによってどちらかだけで充分です。

私はアイボリーブラックを使っています。

 

カドミウムレッド

赤は画家の好みによって分かれます。

キナクリドンレッド、ピロールレッド、と言う人もいます。

私はカドミウムレッドが癖がなく、基本として使いやすいと思います。

 

黄色

カドミウムイエロー  レモンイエロー

カドミウムイエローが基本的に使いやすいですが、もっと冴えた黄色が欲しいときはレモンイエローがあると良いです。

 

セルリアンブルー  ウルトラマリン

セルリアンブルーは黄色寄りの青色で、ウルトラマリンは紫寄りの青色です。

色味が違う青なのでどちらもある方が良いです。

 

フタログリーン

基本のグリーンはフタログリーンで良いですが、くすんだ緑のテールベルトも使いやすいので持っておいても良いと思います。

緑は混色で作れる色です。

チューブで買う緑の方が発色が鮮やかなのですが、逆に鮮やかな緑は使いづらいので、私は持って無くても良いと思う色です。

ディオキサイジンパープル

紫は理論的には赤と青を混ぜると作れる色ですが、実際にはくすんだ紫になってしまうことが多いので、紫の絵の具を買うのがオススメです。

紫の鮮やかさが違います。

緑と違ってとても使いやすいです。

茶色

イエローオーカー  バーントアンバー

茶色も混色で作れる色ですが、茶色はとても良く使える色なので持っておくと良いです。

最小限イエローオーカーとバーントアンバーがあれば良いと思いますが、

私的にはローアンバー、ローシェンナ、バーントシェンナもあってもいいです。

私はレッドオキサイドをよく使います。

オススメのアクリル絵の具

リキテックスプライム(リキテックス)

Screenshot

https://www.bonnycolart.co.jp/subbrand/detail/1

 

U-35(ターナー)

Screenshot
https://www.turner.co.jp/brand/u35ac

 

アクリリック(ホルベイン)

Screenshot

https://holbein-shop.com/?pid=87594321

支持体の選び方

支持体と言うのは、紙やキャンバス、パネル、木や金属ガラスなど描かれるもののことです。

アクリル絵の具は先ほども言ったように、いろいろな支持体に描くことができます。

どんな支持体に描けるか具体的に見ていきましょう。

水彩絵の具のように扱えることから、紙にも当然書くことができます。

絵を描く紙と言うと、画用紙、水彩紙、ケント紙が主にあると思います。

もちろん、それ以外の紙にも描けますが、私がお勧めするのは水彩紙です。

 

パネル

パネルと言うものは、木枠にベニヤが貼ってあるものです。

パネルは紙を水張りして使うこともありますし、パネルに直接描くこともあります。

パネルに直接描く場合は、下地剤のジェッソ塗って、乾かした上からアクリル絵の具で書いていきます。

 

キャンバス

キャンパスは木枠に布が貼ってあるものです。

キャンパスにもいろいろな種類があります。

木の種類が違ったり、布の種類が違ったり、下地剤が違ったりしますが、

初心者の方には張りキャンをお勧めします。

張りキャンは、既に布が木枠に張ってあり、下地も施されているもので、買ってすぐに描き始めることができます。

1つ注意が必要なのは、キャンバスには油絵用のものと油絵、アクリル画両用ものがあることです。

油用のものは油性の下地がしてあるため、アクリル絵の具が定着せず剥がれ落ちてきてしまいます。

アクリル絵の具使えるものか確認してから買うようにしましょう。

布の種類や質によってお値段に差がありますが、初心者の方には安いキャンバスをお勧めします。

安いものでも使用感には大きな違いがないので、たくさん描いて絵の具に慣れて、技術を上げるのにちょうどいいからです。

 

キャンバスボード

キャンバスボードと言うのは、パネルにキャンバス地が貼ってあるものや、厚紙にキャンバス地が貼ってある板状のもののことを言います。

私がお勧めするのは、厚紙にキャンパス地が貼ってあるキャンバスボードです。

板状のキャンバスボードはキャンバスやパネルほど厚みがないので、たくさん書いても収納スペースを圧迫することがありません。

パネルやキャンバスに書くと、案外収納スペースが必要になります。

(たくさん描くようになったら、手間はかかりますが、キャンバスの張り替えに挑戦するのもいいです。布の状態で保管し、木枠を何度も使うこともできます)

またお値段も安いので、気軽にたくさんことができます。

 

その他のもの

その他の指示体に描きたい場合、専用の下地剤が必要になることもあります。

木に描きたい場合、木からアクやヤニが出ることがありますので、ヤニ止めシーラーなど木に描くための下地剤を塗ってから描きます。

金属やガラスに描きたい場合は、定着を強くするために専用のプライマーがあるので塗ってから描きます。

プラスチックは下地剤プライマーは必要ありませんが、プラスチックにヤスリをかけるなど下準備が必要になります。

 

筆は水彩絵の具で使っていたものがある人はそのまま使うことも可能です。

アクリル絵の具に使いやすい筆は、適度にしなりがあるナイロン製の筆が1番適しています。

アクリル絵の具は乾くと耐水性になることから、筆に絵の具がついて乾くと筆も固まって使えなくなってしまいます。

特に、毛の下のほうに絵の具が溜まりやすく、次第にし、用感が悪くなっていきます。

毛の元までしっかり洗おうとすると、少しコツも要りますので、最初は安い筆で慣れるのがいいと思います。

 

キャムロンプロ アムス

Screenshot

http://www.artetje.co.jp/item/detail.php?id=7

 

インターロン 丸善美術商会

Screenshot

https://www.maruzen-art

 

ネオセーブル ぺんてる

Screenshot

https://www.pentel.co.jp/products/brush/paintbrush_neosable

水バケツ

水バケツも水彩画で使用されるもので充分です。

もっと言えば、ペットボトルを切ったものでも、空き瓶でも家にあるもので代用して問題ありません。

 

パレット

パレットも水彩絵の具で使っているパレットが使えます。

ただ、アクリル絵の具は乾くと耐水性になるので、洗うのに手間がかかります。

パレットの素材が耐えれるだけの温度のお湯にしばらくつけておと、びろびろとビニール状になりはがしやすくなります。

私がオススメなのは紙パレットです。

紙パレットとは、水が染み込まないように、表面を加工した紙が束になって付けされているものであり、1枚ずつ剥がし使い捨てするものです。

 

自分のタイプによって買い足すもの

アクリル絵の具に慣れたら、自分の作風によって欲しいものが出てきます。

 

ペインティングナイフ

アクリル絵の具でも、ペインティングナイフが使えます。

油絵のように、ペインティングナイフを使いたい時にも、テクスチャーアートで使うことができます。

 

イーゼル

イーゼルは、絵を立てて描きたいときに使います。

絵を立てて描くと全体を見やすくなります。

絵のサイズが上がってくると、画面を寝せて描くと比率が変わってきてしまうので、水彩のような描き方でなければ、立てて書くことがお勧めです。

 

メディウム

メディウムと言うものは、アクリル絵の具に混ぜて使うことで、絵の具のテクスチャーを変えることができます。

例えば、アクリル絵の具は乾燥がとても早いので、ゆっくり描きたい場合は絵の具の乾燥を収めるメディウムがあります。

他にもツヤを出したり、絵の具の硬さを変えたり、いろいろな効果のものがあります。

 

100均で揃える

今では百均でもアクリル絵の具と道具を揃えることができます。

アクリル絵の具が気になっている人は、まず100円のものから手軽に始めてみるのもお勧めです。

 

100均で最小限のものを揃えてみた

百均のアクリル絵の具と道具で、初心者の方に必要最低限のものを揃えてみました。

アクリル絵の具

百均にもたくさんの色数が売ってありますが、必要最低限のものだけ買いました。

色は、白、黒、赤、青、黄色、最小限この5色だけで描くことができます。

茶色は赤、黄、黒を混ぜることで作れますが、セリアで売っていたローアンバーは便利なので持っておいてもいいと思います。

 

筆はセリアで買いました。

最初に揃えるのにちょうどいいサイズの筆が3本セットになるものがありました。

平筆12号 丸筆10号 丸筆0号

丸筆0号はもっと細い筆でもいいと思います。

 

キャンバス

画用紙でも書けるのですが、キャンバスがオススメです。

セリアのキャンバスボードF 0号を買いました。

商品名がキャンバスボードになっていますが、ボード状ではなくキャンバスでした。

ダイソーには、F3号(110円)F4号(220円)のものも売っているので、大きいものが買いたい人はダイソーが良いです。

以前はキャンバスボードも売っていたのですが、今は無いようで残念です。

 

パレット

セリアでは、簡易パレット4枚入り、ダイソーでペーパーパレットを買いました。

ダイソーのペーパーパレットはネイル用の小さいサイズのもので、アクリル画を描こうと思った場合は、ちょっとサイズが小さすぎるものです。

昔はセリアの簡易パレットよりも、一回り大きいサイズのペーパーパレットがあったと思いますが、なくなってしまって残念です。

セリアにもダイソーにも使い捨てでなくちゃんとしたパレットもあるので、手入れに手間はかかりますが、そちらでも良いです。

 

水入れ

ダイソーの水入れを買いました。

今私はセリアの重ねてコンパクトにしまえる水入れを使っていますが、場所は取りますが、ダイソーの水入れの方が安定感があり、倒れたりしにくそうなのでお勧めです。

 

卓上イーゼル

セリアの卓上イーゼルを買いました。

これは最小限必要な道具ではなく、あってもなくても良いものです。

100均のイーゼルは軽くて動きやすいので、力を込めて描くときには使えません。繊細な細かな描写をするときに使えます。

絵を飾っておくときには、ちょうどいいですね。

イーゼルの代わりに、机に段ボールの箱でも良いので置いて、それに立てかけて描くこともできます。

 

100均で揃えていくら?

最小限のものでない、ネイル用のペーパーパレットと卓上イーゼル、ローアンバーの3点を省いて

10点   1100円

とっても安く揃えられました。

 

100均のものだけで描いてみました

 

100均の絵の具道具だけで水彩風に描いた絵
100均の絵の具道具だけで水彩風に描いた絵
100均の絵の具、道具のみで油絵風に描いた絵
100均の絵の具、道具のみで油絵風に描いた絵
100均の絵の具、道具のみで描いたグリザイユ
100均の絵の具、道具のみで描いたグリザイユ

 

まとめ

初めて、アクリル絵の具を買う場合、百均のアクリル絵の具で試してみるのもオススメです。

メーカーのものを買う場合は、基本的にレギュラータイプのチューブ入りの絵の具を選びましょう。

幅広く対応できるので、作風のまだ定まってない人、いろいろな表現を試してみたい人に適しています。

表現にこだわりがある人は、リキッドタイプやハードタイプなど、ぴったりのものを選んでください。

ぜひ魅力たっぷりのアクリル絵の具を始めてみましょう。

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