画家のマネージメント能力① 画家の仕事作り、生き方作り

私が大学生の時(もう今からは20年も前の話ですが)

大学の教授が、「これからの絵描きはマネージメント能力が必要だ」と言っていました。

昭和頃まででしょうか、

昔の画家は、画商に見初められると、自分はひたすら絵を描くことに専念していれば、

画商がスケジュールを組み、展覧会を開き、告知やセールスまでやってくれてていたので、画家にはマネージメント能力は必要なかったのです。

絵描きの活躍方法が多様化するにつれて、画家と画商という仕事の仕方だけでなく、仕事の仕方も多種多様にになり、何でもあり状態になると、逆にどうしたら仕事になるのか、活躍の場が持てるのか、分かりづらいようになってしまいました。

そこで今回は、画家のマネージメント能力についてお話しします。

自分でマネージメントができるようになると、自分で活躍の場を選び、収入を得ることにも繋がっていくでしょう。

しくじり画家初香の場合

「マネージメント能力が必要だ」

という話を聞いたのにも関わらず、それがそれほど重要なものとは思わず、

「私にもそんな能力あるといいな~」って性格とか、タイプとか、天性のものみたいに思っていて、これから身につけていかなくてはいけないものとは思っていませんでした。

それで、絵を描いてるだけで、後はぼーと生きていたら、

いつの間にかずっと上の先輩たちだけでなく、同級生も、後輩も、いろいろなところで活躍しだし、

公募で募集してるわけでもないのに、どうしてそんな話が舞い込んできたの、どうしてその座を獲得したの?

そんなことがどんどん起こるのです。

美術館でワークショップを任されたり、アートイベントの参加アーティストになったり、パブリックアートを依頼されたり、

私にはそんな話が舞い込んでくることも無いし、情報も入って来ない。

ではどうしたら良いのか?ということも分からず。

コンクールに出してみたり、画壇系の公募団体に出品してみたり、なんか活動している気にはなったけど、

相変わらず情報も、良い話もなかった。

ああ、これが教授の話していた、マネージメント能力ってやつか。。。。

やっとその重要性に気付いたけど、具体的にマネージメント能力ってなんなの?何をしたらいいの?わからないままでした。

私は成功している人達を観察して、いろいろ見聞きして、

絵描きのマネージメント能力ってなんだろうと、自分なりに出した答えは

人脈    情報    管理   アピール

でした。

特に重要だと思ったのは人脈です。

人脈の話を最後にして、先に情報、管理についてお話していきます。

『情報』

まず絵描きの活躍の場にどんなものがあるか知らなければ始まりません。

私の学生時代は、まだインターネットは普及しておらず、本、TV、ポスター、人伝てなど、限られた情報源しかありませんでしたが、

今ではスマホを少し触るだけで、膨大な情報を見ることができます。

インターネットが普及したために、インターネット広告、デジタルコンテンツなど、絵描きの活動できる場面も増えました。

まずはどんな活動の場や、やり方があるのか情報を仕入れて、それで自分はどうしたいのか、考えていきます。

やりたいことがわかったら、どうしたらそのやりたいことができるようになるか、それも簡単に調べることができるでしょう。

やりたいことをするために、戦略的に作風や、題材を決める必要が出てくることもあるかもしれません。

仕事にすることに限らず、仕事にはせずに趣味で絵を発表したいとか、裏方に回ってアートイベントを企画したい。とかアートとの関わり方も見えてくるかもしれません。

『管理』

自分の目指したい方向性、道順が見えたら、

今自分がするべきことが見えてきます。

例えば、

企画ギャラリーで展覧会をしたい。と考えているならば、

まず、いつまでにギャラリーを巡りをして、自分に合うギャラリーをピックアップする、いつまでにポートフォリオを作る。という感じに、

やることとスケジュールを決めて管理することです。

ここで、絶対にやってはいけないことは、

『絵を上達させる』をスケジュールの最初にもってくることです。

○○をやりたいけども、もっと上手く絵が描けるようになってから。。。

じゃあ、いつになったらどこまで上達したらできるようになるの?って言ったらキリがないのです。

もちろん今まで絵を一枚も描いたことがない人が、企画ギャラリーに営業に行くとなったら、それはただの無謀ですが。。

まだ技術に自信がなくても、とりあえず行動を始めてください。

行動するのと同時進行で技術の上達にも取り組んでください。

行動してみた結果、どこの企画ギャラリーにも相手にされなくても、それでもOK

です。

優しくて親切なギャラリーならば?

もしかすると何かアドバイスをもらえることがあるかも知れません。

『君の作風はウチじゃなくて、ギャラリー○○の方が合っているよ』と教えてくれたり、

『君の絵は基礎から全然なってないよ』

と言われたら、それじゃ、基礎を学ぼう!と次のやることがわかります。

『何か素人っぽい絵だね』

と言われたら、何が自分の絵を素人っぽくしているのか、調べることができます。

それでなくても、

企画ギャラリーで展示できるレベルではないとわかったら、貸ギャラリーで経験をつもうか、と道順を修正することができます。

とにかく行動に移さないことには分からないことが沢山あります。

『アピール』

ときに画家は作品や自分をどう見せるかを考える必要が出てきます。

例えば、「なぜ静物画を描いているのですか」と聞かれた時に、

「なんかカッコよくないですか?」と答えた場合、聞く人はがっかりしませんか?

「使い古された物は、人の人生がその中にあります。そうでありながらただ物であるという本質を表現したいと思って描いています。」

などと、言っている内容はそんなに変わらなくても、何故か急に絵が良くみえてくる感じがしませんか?

それが、自分の思いがしっかり入っていて、人の共感を呼び起こされる物なら、凄く魅力的に感じるとおもいます。

作品だけでなく、自分自身をどう見せていくか、プロデュースしていきます。

「自分にはこんなことが出来るんです!」「あなたにこれだけの利益をもたらすことができます!」

とプレゼンテーションが出来るようにしてアピールすることです。

そのように、自分をブランディングして、魅力をアピールできればチャンスも膨らむでしょう。

『人脈』

最後に人脈です。

人脈がなくても、先にお話しした『情報』『管理』で充分事足りることもあります。

でも、私は声を大にして『人脈』を推します!

それが何故かをお話しします。

それは、公になってない情報やチャンスを入手することが出来ることと、

有力なコネクションができえること、

一般的に知られていない、オリジナルの方法で道順を作ってきた人の経験を聞けること、

ライバルと競争しなくても良いこと

など、他にも沢山のメリットがあるからです。

どこでどんな人脈を作っていくのか、それも画家のマネージメント能力です。

人脈については話が長くなりますので、次の記事に詳しくお話ししていきます。

『まとめ』

絵描きにとってマネージメント能力とは、とても重要な能力になります。

絵描きのマネージメント能力は

どのような活躍の場があるのか、そこに向かうための情報を集めて、そのためのやることを決め、スケジュール管理し、行動を起こす事です。

中でも人脈を作ることは、大きく可能性を広げることに繋がるので是非意識してやってもらいたいことです。

まずは情報収集からですが、これは今すぐにでも取り掛かることができることです。

是非これを読んだら、そのまますぐにググってみてください。

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