こんにちは♪

アクリル画家、絵画講師の初香です。

今回は手の描き方をお話ししていきます。

人物の中でも、細かく複雑な形をしていて、とても難しい部分です。

見慣れている部分でもあるので、不自然なところはすぐに感じ取られてしまいます。

指が棒みたいになったり、変なバランスになってしまったり、どうしたらいいんだ。。。
助手ネコ
助手ネコ
初香先生
初香先生
私も手は特に頑張るところだよ、ポイントも使いながらね♪
ポイント?
助手ネコ
助手ネコ

その複雑で難しい手ですが、大きく分けて、3つのポイントを抑えて描くと描きやすくなり、自然に描けるようになります。

今回はそのポイントの解説し、実際に描いて説明します。

形を取る3つのポイント

ポイントごとに描く効果

手は複雑にいろいろな要素が絡み合っています。それをいっぺんに表現しようと思うと、とても難しいので、3つのポイントに分けて考えて1つずつやっていきます。

 一つずつ考えてできるので、見るポイントが整理されて、他のことに誤魔化されず正確に捉えることができます。 

3つのポイントとは

○大きなまとまりで見る

○関節、骨を見る

○立体で捉える

これを順にやっていくことで、複雑な手を整理して捉えて書いていくことができるので、描きやすく、自然な手が描けるようになります。

 

ポイントを使った描き方

大きなまとまりで見る

手の形を指のない手袋の形に置き換えます。

そうすることで、細かなところに囚われず大きな バランスや動きを 見ることができます。

 

手袋を手の甲親指、他の4本の指の3つのブロックに分けます。

 手の甲(赤)と4本の指のブロック(青)は、だいたい同じ長さになります。 

具体的に形をとっていくときは、この手袋から形がはみ出さないように描いてください。

こうやって描くことで、いろいろなポーズが描きやすくなります。

関節、骨を描く

関節や骨を描くと言っても細かな形まで具体的に描くわけでないので安心してください。

手の骨を見てみましょう。

手根骨から指の骨がついています。

手のひらの部分からすでに指の骨になっていますね。

 第三関節はまだ手のひらの一部です。 

指の付け根から曲がるのではなく、関節から曲がることを頭に入れておかないとおかしな手の形になってしまいます。

親指以外の骨は、大きさの大小はありますが同じ仕組みでできています。

親指だけ関節の向きが違います関節の数も1つ少ないことがわかりますね。

 中指が1番長く、人差し指と薬指が大体おんなじ長、小指指輪薬指の第一関節位の長さです。 

実際に描くときは、

○で関節を描いて、関節を、線(骨)で結びます。

 

関節の位置は親指以外アーチ状に並びます。

指を曲げたときも、このアーチ状を忘れずに描いてください。

手の甲から見た時もアーチ状ですが、 断面のように見ても、手のひらを包み込むような形でアーチ状になっています。 

 

立体で捉える

手のバランスが決まったら、それに肉付けをしていくのですが、形を単純な立体に置き換えて描いていきます。

 

 立体にすると、後で陰影を描くときに、光の当たる面がはっきりイメージできて自然な調子になりやすくなります。 

 

この3つポイントができたら具体的な形に直して形の完成です。

 

アクリル絵の具で描く

形が取れたらアクリル絵の具で色を塗っていきます。

大きなまとまりを描く

いきなり細かく描写していくのではなく、手を立体にしたときの光の当たる向きと状態をイメージしながら、大きなまとまりで塗ります。

 明るい場所、暗い場所、中間の所の3色位で塗り分けます。 

 色を塗りながらも形の調整をします。 

手の部分を描く時に形を修正するだけでなく、余白の部分の形も見て、余白側から形を削り落としたり足したりしても修正します。

 

指の丸みや関節の明暗

少しずつ具体的に塗っていきますが、指の筒状の丸みや関節の明暗に注意して描きます。

指の影、反射光

大きな塊としての陰影や、指1本1本自体の影に加えて、隣の指の影反射光があるのが指の難しいところです。

どこの影なのか、どこからの反射光なのかよく観察しながら描写します。

 大きな明暗を崩してしまわないように注意しながら描いてください。 

 

完成です

まとめ

手の形はとても細かく複雑なので、そのままみて描こうと思うと、とても難しくなります。

形を取る3つのポイントと、

○大きなまとまりで見る

○関節、骨を描く

○立体で捉える

この3ポイントを押さえて、一つ一つ確認しながら形をとり、

 大きなまとまりから、立体を意識して、徐々に細かくしていく 塗り方を行うことで、細かく複雑な手を描けるようになります。

 

私もなかなか苦戦するところで難しいですが、今回の描き方を取り入れて描いてみてください。

描きやすくなると思います。

私も子どもの頃から手を描くのは苦戦して、3つのポイントを使って何度も何度も練習しました。

本番の制作でも何度も描き直し、だんだんと描けるようになってきました。

今でも鍛錬中です。

終わりのない鍛錬かもしれませんが、繰り返すことで確実に上手くなっていくので頑張っていきましょう!

この方法を意識して描くことに慣れたら、かっこいい手が描けるようになるでしょう。